キャッツキル・大菩薩禅堂へ
2009年4月14日 (火)
世界中の人々が集まるNYには世界中の宗教も集まる。とりわけ禅への
関心は古くから高く、NY州にはいくつかの禅寺も点在しているという。
そのうちもっとも古く、日本でもよく知られているのが、嶋野栄道老師が
統べられる大菩薩禅堂・金剛寺である。
ここに13日から二日間、老師よりの招聘を受けお伺いした。
実は先立つこと25年前、父が一ヶ月間、茶の湯普及のためアメリカを
訪れた際にも人を介してここを訪問、老師の謦咳に接する機会が
あった。そのことを憶えておられた老師が、今年2月に一時帰国
された際、突然京都の家元にご連絡をくださり、父をお訪ねくださった
という。聞けば、NYでの僕の風評を聞かれ、ふと父のことを懐かしく
思い出されての訪問だったとか。そのご縁が実って、5月に
家元が渡米の際に禅堂にてお献茶を行わせていただく運びとなり、
その下見も兼ねて禅堂の生活を体験、そして初めて老師と
相見(しょうけん)させていただくため、マンハッタンより車で3時間の
キャッツキルに向かったのだ。実は幼い頃、父からNYに立派な
禅寺があると聞き、仏像好きだった私はぜひ訪れてみたいと思っていた。
今回の滞在中に果たしたかったことの一つが、ここでもまた
実現を見たのである。
マンハッタンから車に揺られること3時間、禅堂に
もう30年近く通われておられる、表千家茶道師範でもある
原ヤス子さん、マーティンさんご夫妻に導かれ、まるで奥入瀬の渓流の
ような美しい川のそばを通ると禅堂の敷地への入口が。そこからさらに
20分ほど走り、突如現れる美しい湖のほとりに大菩薩禅堂・金剛寺は
端然と佇んでいた。
到着後すぐに老師とお目にかかるべくMeeting Roomへ。
父の部屋にかつて同じ部屋で若い日の老師と写っている写真が
飾ってあるのを見ていたので、初めて訪れた気がしない。やがて
現れた老師は、ゆったりと衣をまとい重厚な雰囲気を漂わせながら
まったく構えた所がない。若き日、単身アメリカに渡られたときは
仏像一体と警策一本、それに現金5㌦のみを持たれてJFKに降り立たれた
という。それから様々なご苦労と出会いを経て、3年でマンハッタンにNY禅堂を、
そしてその数年後にはここ大菩薩禅堂を開單されたというのだから、その
行動力と求心力には驚かされる。しかしご本人からは、一見そういったことを
まったく感じさせない。父のこと、そして私のこの一年のことなどを大変
興味深く聞いてくださり、またご自身のこれまでについても
いろいろお話してくださった。
さかのぼると父とのご縁があるからこそだが、初めてお会いしたとは思えないほど
落ち着いてお話しすることが出来た。
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↑ご本堂内陣。御本尊は阿弥陀如来。それぞれの
仏様も不思議なご縁で吸い寄せられるように
老師のもとに集まってきたという。
厳しくも美しい作法に則って精進の昼食を修行僧の方々と
ともに頂く。食後もまたしばらく老師と話し、のち本堂、禅堂はじめ
堂内を自ら案内してくださった。禅堂には奈良薬師寺の元管長
高田好胤師から送られた大菩薩像が安置されており、好胤師にも
可愛がっていただいた御縁から、遠く離れたアメリカで師と再会した
ような不思議な気持ちになった。その後5月7日のお献茶のための
打ち合わせをしていただき、禅堂にある茶道具なども拝見させて
いただいた。
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↑私の訪問のために特別に出してくださった磬子
(鐘)を叩く嶋野老師。弘治元年の銘文があり京都の
某禅寺に伝わったことが銘文からわかる貴重なもの。
利休さんも聞いたことのあるだろう鐘の音色を
アメリカで聴く不思議。
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↑15日出発間際大玄関にて老師はじめ雲水一同と
記念写真。僕の右隣がご案内くださった原ヤス子さん。
その後夕方とあくる朝4時半からの二回、禅堂で皆さんと
坐禅を組ませて頂いた。時折風や鳥の鳴き声が遠くに聞こえる
以外、全くの静寂が身を包む。己と向き合い、自然と一つに溶け合う
三昧の心境に束の間遊ぶことが出来たのは望外の喜び。ここで
参禅するために今後渡米することも考えたほど、充実した
2日間の訪問であった。

2009 年 11 月 6 日 11:37 AM
初めまして。嶋野栄道老師で検索中にたどりつくことが出来ました。私は、貝磨き職人です。今月21日、22日にニュ-ヨ-クで開催される日本祭りに参加してきます。http://www.faunedance.com/jp/jam_09_jp.htm
目的は、貝磨きの世界を世界の皆さんに感じてほしい。笑顔を分かち合いたいからです。以前、禅の修業をされる方に、これは“磨”禅ですね。とお言葉を頂きました。この旅は、正法寺にでかけ老師のこころ、感じてこようと想っています。いつの日か千さんともお目にかかる日が来ること、楽しみにしております。お読みいただきありがとうございます。