World Tea Expo@Las Vegas
2009年5月3日 (日)
4月31日からラスベガス。ここで年1回、世界中の
茶業者や研究者、愛好家が集まっての大規模コンペティション
”World Tea Expo”が開かれる。もちろん取り上げられる
お茶も紅茶、中国茶、中近東のお茶など幅広い。
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↑さまざまな種類のお茶が並ぶWorld Tea Expo
の会場。
日本からも緑茶、ほうじ茶、煎茶が加わり、いくつか日本の企業も
参加される。そのうちのひとつ、北米でも活躍される伊藤園よりの
ご依頼、Expo事務局の招へいにより、会場となるマンダレー・ベイの
コンベンションセンターの一角のブースで茶会を開き、特設の
舞台でオープニングセレモニーとしてデモンストレーションを
行うこととなった。そして、今回の大規模な催しに際し、兼ねて
海外での催事への参加を申し出てくれていた父にも協力を
要請したところ、日本からお弟子さん有志をひきつれてネバタの
砂漠の真ん中まで駆け付けてくれた。
初めて降り立つLas Vegas。うわさ通り空港に降りたつとすぐに
スロットマシーンが。砂漠の真ん中に突如現れた人工都市。すべての
スケールが大きく、そしてどこか嘘くさい。会場は宿泊したホテルに隣接
したコンベンションホール。しかし、部屋から会場まで延々歩いて20分
以上かかる。隣のホテルに移動するのにもタクシーが必要だ。
滞在中の4日間で、すっかり足がくたびれ果ててしまった。
2日の初日は、11時からExpo会場のほぼ中央に特設された舞台の
上に茶机を据えて、父・家元による講演、そして解説のもと私が茶机で
の点前を実演し、あらかじめ申し込まれた10名のお客様に一服の
お茶を差し上げた。
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↑家元(右より3人目)による講演と茶机を用いての
オープニングデモンストレーション(5月2日)
午後からは場所を移して小間をイメージしたブースに
茶机を据え、やはり申し込まれた10名の方にお茶を差し上げる会を
あくる3日まで、合計5席行った。当初のイメージではブースに壁なども作り
込み、茶室を連想させるモダンな空間になる予定だったが、会場に
着いてみると何のそっけもないアルミとプラスチックガラスのはまった無味乾燥
なものでしかなく、慌てた。伊藤園の方々の協力もあり、テーブルクロスで聚楽壁の
イメージに近いベージュのものを探してもらって急遽壁に貼り、急繕いの
茶室となった。ただ、クロスにすぐしわが寄ったり、何となく学園祭の
茶道部の茶席風になってしまったことは否めない。
それでも掛物をかけ茶机を据え、道具を併せ客が入ると、それなりに恰好が
ついてしまうのものだ。10名のお客様も多いときはいつの間にか15名まで
増え、椅子をその都度増やしたり、外との仕切りが透明なため、まるで
動物園のパンダよろしく気がつくと大勢のギャラリーがブースを取り囲む
など、いささか落ち着かないながらも大盛況であった。
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↑外からも大勢のギャラリーが囲む中行われた
ブースでの茶会(2日)。
客層も種類は違えどお茶にかかわっている方々がほとんどなので、
香りまでじっくり味わったり、なぜこれだけ儀式的な所作があるのかなど、
それぞれのかかわるお茶との違いを軸にして関心が集まっていたようだ。
中には遠くエストニアのお茶屋さんがいたり、エストニアにもお茶屋が
あることに驚いたりした。
2日のお茶会を無事終え、軽く打ち上げにホテルヴェニスへ。このホテルの
内外にはイタリア・ヴェネツィアの街が再現されている。リアルト橋のたもとに
サンマルコ寺院の鐘楼があり、中に入ると1階には他のホテルと同じように
カジノがあり、2階にいきなり運河が現れ、ご丁寧にゴンドラまで泳いでいる。
天井には書割で青空が描かれ、24時間日が落ちることはない。
徹底した人工都市。嘘もここまでつけば大したものだ。
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↑サンマルコ寺院の鐘楼のなぜか隣に
リアルト橋。ホテルヴェニス前にて。
それは自然のあるべき風情をよしとする茶の湯とは正反対の位置にある。
だが待て、茶の湯の理想境は「市中の山居」、
つまり都市の中に自然景を作り込むことにある。それは大自然の砂漠に
都市をつくることと実は軌を一にするのかもしれない。

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