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セキユリヲの『北欧の「手仕事」を学ぶ』

ありがとう スウェーデン

2010年8月30日 (月)

灼熱の日本に戻ってきました。ここはいつから熱帯になったの? すでにスウェーデンの夏が恋しい〜。

ちょっとひんやりするために、真冬の風景を振り返ってみましょう。これは、バルト海が凍ったときの写真。ある日、うっかりバスを乗り過ごし、なんにもない隣の街で時間をつぶさねばならず、海を見に行ってみたらこんなきれいな景色が広がっていました。夏は、この小さな木の橋から子どもたちがジャンプして飛び込むんです。

1年間のカペラゴーデンでの暮らしからもらったものはたくさんありすぎて、ひとことでは言い尽くせないけれど、中でも思い出深いのはこんなこと。自分たちでリネン(亜麻)の種を植え、収穫して乾燥し、茎の繊維を叩いてやわらかくし、糸紡ぎをしました。自分で育てた素材を使って、日々使うものをつくる—自然に囲まれているからこそできる「地産地消」です。

すぐそばに羊がいて、刈った毛を譲ってもらって編みものや織りものをする、というのも、今思えばなんと贅沢なこと。服やカーペットなど、暖をとるためにウールが欠かせない北の地では、羊の存在が、ごく身近なんですね。

おもしろいなーと思った風習は、お誕生日のパーティーを自分で主催すること。ケーキを焼いて、テーブルセッティングをして、友達を招きます。みんなこういった「ちょっとしたイベント」が大好き。ときどきやる仮装パーティーも盛り上がります。男の子も得意のお菓子を焼いてくるのは、驚きでした。

スウェーデンの景色は、どこを切り取っても絵になるくらいきれい。自然が美しいのはもちろん、そこに建つ家や教会、牧場、バス停、ポスト、ごみ箱などすべての人工物が景観を損なわないようにできているんです。首都のストックホルムでも、電車の吊り広告なんてほとんどない。そこが、混沌とした情報社会・東京との一番の違いですね。誰もが「景色は公共のもの。美しい景観を保存しよう」という意識が高いのだと思います。ここ、何より一番見習いたい!

この連載も今回で最後を迎えることになりました。今思い出すと、遠く何もない田舎で、このブログを書くたびに「日本とつながっている」と感じられたものです(特に冬、部屋にこもるしかない日々、ひとりパソコンとにらめっこでした!)。

つたない文章ではありましたが、1年間読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

この1年の財産を、ただの楽しかった思い出で終わらせないように。これからの暮らしに、仕事に、役立てられるように。環境は違うけれど、どこか精神的につながりのある「スウェーデン」と「東京」の橋渡しのような活動を、少しずつでいいからできたらいいと思っています。まずは「バンド織りのワークショップ」かな。

これからも、あたたかく見守ってくださいね。

セキユリヲ

 

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猫と一緒に旅を終え

2010年8月12日 (木)

スウェーデンでは、動物を飼っている人が日本以上に多く、家族の一員として愛され、きちんとしつけられています。ちょっとしたお出かけや旅行にペットを連れて行くのも当たり前。電車には動物が乗っていい車両が必ずあります。こんな看板を見つけたら、さあ、我が家の猫・ペロも乗り込みますよー!

ペットOK車両の中は、こんなに自由に犬が動き回って、楽しそう!この2匹は違うファミリーのペットなんですが、すっかり仲良くなっていました。座っている人たちも笑顔で見守っている感じです。この大らかな感じが、スウェーデンのいいところ。

車窓を楽しむペロ…。

旅先でも、リードをつなげばペロも動ける範囲で自由に歩き回ってくれるようになったので、ずいぶん楽でした。車が通るようなところや人通りが多いところは苦手ですが、自然があって、静かなところではずいぶんリラックスするようで、毎朝コースを変えて散歩をしました。私たちも、ペロも、楽しい時間を過ごせました。

バスでは、ガイドをしてくれたり…。

出国する前に、ストックホルムの獣医さんに行って日本に戻る書類の手続きをしてもらいました。公的なサインを発行できる獣医、というのが限られていて、それを探すのがなかなかやっかいでしたね。結局、ホテルのフロントの方に探したり、交渉するのを手伝ってもらって、ぎりぎりセーフ!

SASの飛行機では、小さな動物はケージに入れて前の座席の下に置いておくことができて安心です。ま、最初は嫌がってちょっと鳴きますけど、1時間くらいたつとあきらめてずっと寝ていました。飛行機で11時間、いよいよ日本に到着です。

1年間のスウェーデン暮らし、あっという間ではありましたが、とても重みのある、大切な時間を過ごすことができました。次回は「振り返りの会」として、紹介できなかった秘蔵写真(?)を掲載します。どうぞよろしく!

 

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ミッドソンマル・フェスティバル

2010年7月24日 (土)

エーランドを旅立つ前日に、最後の織り作品が完成しました。やったー。

そして、エーランドを後にした私は、北に向かってバスと電車を乗り継ぎ6時間、「スウェーデンの心のふるさと」と呼ばれる、ダーラナ地方のレクサンドという小さな街に到着しました。見渡すと、昔ながらの赤く塗られた家ばかり。この色が、5月22日のブログで紹介した「ファールン・レッド」です。この地方で採れる銅を使った塗料で塗装されています。

ここに来た一番の目的は「ミッドソンマル・フェスティバル(夏至祭)」を見ること。スウェーデンではクリスマスと並んで大事にされているお祭りです。夕方、小さなボートに乗った音楽隊が楽器を演奏しながら川下りをします。これがスタートの合図です。

船を降りた音楽隊が、会場に向かって楽器を弾きながら行進します。黒いスカートに紅白のエプロンという、この地方ならではの民族衣装に身を包んだ女の子達、たまらなくかわいいです。この衣装は近くのお店でも注文して買うこともできるそうです。かなり心は揺れたけど、日本人にはなかなか着こなせないかなあ。

小雨の降るなか、男性陣が白樺の葉っぱで飾られたポールを立てると、みんなで大拍手。会場は一番の盛り上がりを見せます。このポールは秋まで立ててあり、スウェーデンの短いけれど輝かしい夏の象徴です。

そのあとは楽団が演奏しながらみんなでフォークダンス。大人も子どもも輪になって踊ります。かなり高度なステップを踏みながら踊る人もいます。1曲ごとに観衆の中から参加する人が増え、最後は大団円に。夜更けまで延々と踊って、歌って、みんながひとつになっていく。もしかしてこれ、日本の盆踊りに近いかしら?

最後の旅はもうすこし続きます。このブログも残りわずかですが、次回も旅のお便りを。どうぞお楽しみに。

 

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卒業式・修了式

2010年7月15日 (木)

ついに、この日がやってきました!

カペラゴーデンの卒業式は、毎年近所の教会で行われます。1時間ちょっとくらいかけて、みんなで歌を歌ったり、卒業生と先生が壇上で涙のあいさつをしたり。静かで、心あたたまる、カペラらしい感動的な会でした。写真は、在校生がお別れの歌を合唱しているところ。

ちなみに私は、2年コースのうちの1年を終えたので、正確には「卒業」ではなく「1年修了」ということになります。もう1年は、また好きなときに来ていいよ、と言われています。

このあたりの古い教会は、こんな石造りの四角い建物が多いんです。窓のバランスが、顔みたいでユーモラスですね。

教会の庭には、近隣に住む人たちのお墓があり、いつも季節のお花が供えられています。こちらは、カペラゴーデンの創始者であるカール・マルムステンの墓碑。木工家具デザイナーのこだわりで、お墓まで木でできているんですよ。

テキスタイル主任のベーリット先生は、この地方の伝統的な民族衣装を着て登場。なんと、彼女が19歳で学校を卒業するときに、織り手であるお母さまがすべて手仕事でつくってくれたものだそう。上は白いリネンのブラウスにベスト、下はリネンのスカートとストライプのエプロンの組み合わせ。肩からショールを羽織ってベストの下からちらりと刺繍をのぞかせるのもポイントです。赤いストッキングに黒い革靴、というのも決まりごと。本来は帽子をかぶらなきゃいけないんだけどね、と言っていました。

後日、近所に住むスティーナさんに、私が民族衣装に興味があることを話したら、彼女も着て来てくれました。こちらもこの地方(スモーランド)独特の衣装で、はっきりとした赤や青いウールの生地に、植物模様の刺繍がほどこしてあります。胸にシルバーのアクセサリーをつけているのは、南の豊かな人たちの象徴でもあるそうです。地域によって、色や素材やデザインが少しずつ違いますが、結婚式や、夏至のお祭りのときなど、1年に何回かはこれを着て出かけるんですって。なんて素敵。

そして私は、日々引っ越しの準備中…。エーランド島を出てから、ちょっと北を旅して帰国します。次回は旅先からのお便りを。

それにしても、さよならエーランド! ありがとう! きっとまた来るね。

 

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エーランド島でお世話になった人たち

2010年6月30日 (水)

1年経つのは早いですね。カペラに来たのが去年の8月なので、正確には10ヶ月くらいの期間でしたが、もうすぐ学校も終わります。最近は学校の友達だけでなく、近所の人たちともすっかり仲良くなり、時々お茶やごはんに誘われることも。今日は私の大事な「ご近所さん」を紹介します。

まずは、羊毛を手紡ぎして、ぼこぼこしたあたたかい表情の毛糸をつくるグニッラさん。学校のすぐ近くに住んでいます。近所の羊牧場から直接羊毛を譲ってもらい、地元で採れるタマネギや植物を使って染色をし、編み物や織り物の作品をつくる、という地元に根ざしたものづくりをしています。カペラのテキスタイルコースに、羊毛をプレゼントしてくれました。

グニッラさんのつくった毛糸は、彼女の家や、隣村のハンドクラフトのお店で買うことができます。私は今、グニッラウールを使って、くつしたを制作中。とてもきれいなモーヴカラーです。

下の写真の右の女性は、建築関係の仕事をしている大家のヤハンさん。実直で勤勉な人で、今、街にタイレストランを建設中。そしてかわいい娘のサナンちゃん(10歳)は白とグレーのうさぎを2匹飼いはじめました。左の男性は3軒隣りに住むスティーナさん。小さなカフェをやっています。アジアが大好きで、カフェでもラオスの布を販売しています。日々みなさんに、何かと面倒をみてもらいました。

ある日、ヘレナさんに「ジャパニーズ・デザートが食べてみたいなー」と言われてつくったのがこちら。抹茶ロールケーキです。

スウェーデンの人にとって「豆」はおかずのための食材なので、甘いあんこは嫌いな人が多い、と聞いていたのですが、生クリームと一緒に抹茶の生地で巻いたら、マイルドで食べやすくなったみたいです。たくさんつくったのですが、ファミリーであっという間に平らげてくれました。

この島の人たちは本当に親切。心の境界がないというのかな、いつもオープンマインドで気持ちよく接してくれます。どうしてそんなにいつも笑顔なの?っていうくらい、いい表情をしている人が多くて、だんだんそれが伝染して、自分も素直な気持ちになってきます。
そんなみんなとももう少しでお別れ。うう、さみしい…。

 

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リネンの種まき

2010年6月24日 (木)

今日は、園芸コースとテキスタイルコースの共同学習として、みんなでリネン(亜麻)の種をまきました。夏に小さな白い花が咲き、秋に収穫をして、数ヶ月かけて乾燥させた後、冬に叩いて繊維を取り出します。スウェーデンの植物繊維といえばリネンと言われ、こちらの風土に合う植物なんです。繊維に仕上げたときに、ぱりっと堅く、丈夫なのが特徴です。

下の写真は、土をならして、小石や雑草をとっているところ。大人数でわいわいやるのは楽しいけど、これ、かなり地道な作業だ…。

そして、いよいよ学校のサマーエキシビジョンもはじまりました。今回はカペラゴーデン創立50周年ということで、ボリイホルムという近くの街のお城での開催です。陶芸コースの先生であり、国内でも評価の高いケネット先生の大作が入り口の目印。

この日は、生徒ひとりひとりがプレゼンテーションをしながら、みんなで議論をする「オポネント・デイ」。ゲストにスウェーデンのプリントテキスタイルグループ「10 gruppen」の創始者を迎えての質疑応答を、2日間かけて行いました。学校内のコースの垣根を越えて、いろんな考え方を共有しようという大切な時間です。

今にも崩れそうな古い城壁と、生徒達の作品が一体となって、スクールエキシビジョンとは思えない、なかなか面白い空間になっていると思います。

さて、学校の織り機では、最後の作品を制作中。留学生活も終盤。もうすぐ卒業です! 最後の作品は、寒い冬、家のドアに吊り下げて、暖気を逃がさないようにするためのウールのカーテンで、「ドレペリィ」と呼ばれるものです。もうギリギリですが、がんばろう!

 

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SUSHI NIGHT

2010年5月28日 (金)

ペロ、トラス・マッタの上でキャットウォークの練習中。

下の写真は、前回紹介したガーデンショップの店内です。写真右手の棚には、学校で採れたハーブをドライして、自然塩に混ぜた「カペラソルト」が並んでいます。スープやサラダなど何にかけてもプロっぽい味になる、と評判です。私は、日々使う石けんやシャンプーもここで買っています。

今週は、私がキッチンのお手伝いを担当。食事をつくるのは専属スタッフですが、生徒が週代わりにランチとディナーのテーブルセッティングや後片付けを手伝うことになっているのです。パンを焼くのを手伝ったりもして、料理好きの生徒には楽しみのひとつです。この日の夕食は、特別にジャパニーズナイトを企画してみたのですが……。

じゃーん。SUSHI!それも手巻き70本分!サーモン&卵、えび&パプリカ、フェタチーズ&アボカド、など、5種類つくって選べる方式にしました。北欧産のサーモンはいい具合に脂がのっていて、寿司ネタとしても最高なんです。スウェーデン人もお寿司が大好き。かなりよろこんでもらえました。

エキシビジョンの準備も佳境です。バンドメイキングのプロセスを紹介したい、と先生に相談したら、地元の民族博物館から、1780年につくられた貴重なバンド専用織り機を貸していただけることに。細かい部分に装飾的な彫刻が施されています。結婚するときに男性がつくって女性にプレゼントした、と伝えられているそうです。

そして今回、念願だったコーム式の織り機もつくりました!楡と白樺の木を使っています。機械を使う部分は木工経験者の友人に手伝ってもらい、私は彫刻をしたりやすりをかけたりする作業を担当。道具まで自分でつくることができることに感激です。そして、持ち帰って日本でも続けられるのが何よりうれしい。いずれみんなでバンドづくりのワークショップもやりたいですね。

 

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夏のはじまり

2010年5月22日 (土)

やっと桜が満開です!こちら、カペラゴーデンのフルーツガーデンは、夢みたいな景色になっています。今週末はお花見だな。

学校内にある、ガーデンショップもオープンしました。園芸コースの生徒が植えたポット苗や、カペラで採れたハーブを使ったお茶やビネガーなどを販売しています。「つくったものを売る」というのも、大切な勉強のひとつとして推進されています。

フィーカ(スウェーデンならではのおやつの時間)には、クラスの友達がイチゴを使ったプチケーキとフレッシュジンジャーエールをつくってくれました。こんなふうに週に1度、順番で手づくりのお菓子をつくって持ってくることになっています。木工科の男子もおいしいケーキを焼きますよ。

……と、優雅に見えますが、実は今、学校のサマーエキシビジョンの締め切り間際。学校中が大忙しムードです。今日は陶芸コースの窯出しがありました。展示に向け、大作をつくったエヴァ。飴がかかったような、きれいな色に仕上がっていますね。

私は、4月20日のブログでおしらせしたテスト織りのマットの本番作品が仕上がったところ。スカンジナビア独特の「ローゼンゴン(ばらの道)」という技法で模様をつくっています。ウールの糸は、スウェーデンの家の壁に使われる赤「ファールン・レッド」を中心に構成しました。

これが織り図の一部。織り機のペダルの踏み順が書いてあります。やっとこういうのにも慣れてきた!

 

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修学旅行

2010年5月11日 (火)

さて、問題です。これはどこの国の言葉でしょう?

答えはハンガリー。テキスタイルクラスのスクールトリップ(修学旅行)のため、4泊5日でブタペストに行ってきました。ブダペストはパリの街を思わせるような装飾的な建物が多く、歩いているだけで楽しかったです。

修学旅行と言っても日本とはずいぶん違い、行く国や、訪問先はほとんど生徒たちで決めます。チケットや宿の手配も生徒が責任を持って予約や支払いを済ませます。旅費は、毎月の積み立て貯金に加え、国から結構な金額の補助金が出たおかげで、ほとんど出費もなく(なんと食費やお土産代までカバーされて)旅することができました。こういう時に、スウェーデンの福祉の手厚さに感心させられます。

建物はアール・ヌーヴォー時代の造りをそのまま残しているところが多いです。ゆるやかな曲線を使った天井や窓は、光がやわらかく差し込んで、陰影が美しいですね。

古い色ガラスがきれいな、ステンドグラスもよく見かけました。

下の写真は、白地に赤い糸を使ったハンガリーの伝統的な刺繍や織り物。女子にはたまらない可愛らしさです! スウェーデンのテキスタイルと似ている部分もあるけれど、ハンガリーのほうがいい意味での素朴さ、野暮ったさがあるように思いました。スウェーデンのほうが、細やかでより洗練されている感じ、かな。

修学旅行中、ハンガリーの芸大「モホリ・ナギ芸術大学」のテキスタイルクラスも見学。工芸中心のカペラゴーデンよりもかなりファッション寄りのテキスタイルづくりをしていました。
基本の織り、染め、プリントの学科のほかに、編み機を使って編み地のデザインをしている「ニットコース」、革を使って靴や小物をつくる「レザーコース」があるのがヨーロッパらしいですね。テキスタイルとは言っても、ずいぶん幅があるんだなあと改めて感じました。

「とても優秀な生徒ばかりなんだけど、今のハンガリーには仕事がないので、卒業後の進路を決めるのが難しい」と先生が嘆いていました。移民を受け入れているスウェーデンに仕事をしに行く人の割合も、このところかなり多いそうです。とはいえ、スウェーデンでも失業者が増加中。ヨーロッパの就職事情も、なかなか厳しい模様ですね…。

 

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ひつじとの対話

2010年4月20日 (火)

前回、大量のウールを洗って干していましたが、ここ1週間は、紡いで糸にする作業をしておりました。できあがった毛糸はこちら! 太さを不均一にして、手紡ぎならではの味わいを残しています。自然なつやがとってもきれいでふかふかと気持ちがいいウールです。

そして、その毛糸を使って機織りをはじめました。たて糸の感覚をわざとそろえずに、ゆったりとやわらかく織っています。自分で紡いだ毛糸だと思うと、愛おしさもひとしおですね。ひつじがそこにいるかのように思えてきて、すりすりと撫でてしまうことも。日本では冬だけ身につける「素材」ですが、こちらの国ではひつじが身近な存在です。今日も近所の飼育場から、「ぼへええええ」という鳴き声が聞こえてきます。ありがとう、ひつじさん。

カーペットのテスト織りが仕上がったので、ちょっと見てみます?
かなり丈夫な、一生使えるものになりそうです。大体2mくらいの長さの中に、いろんな色の毛糸を使っていますが、本番の織りでは、赤や茶色の糸を中心にコントラストをくっきりさせようと思っています。今、糸をオーダーしているところです。

3月27日のブログで紹介したドリスさんの影響で、ウールのバンドも制作してみました。雪の結晶がモチーフです。オモテとウラで柄が反転しています。

そして散歩をしていたら、ふきのとうが顔を出しているのを発見! これから天ぷらにして食べようかな。

 

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春の足音

2010年4月13日 (火)

エーランド島にも、やっと春の気配がしてきました。雪解けしたばかりの土から小さな黄色いお花がつぼみを開きましたよ。

さてさて、一番近くの街らしい街、カルマルの運河沿いで、素敵な建物を発見。いったい何でしょう?

実はここ、文化遺産にも登録されている「トラスマッタ(10/26のブログ参照)専用の洗濯小屋」なんです。冬の間に汚れてしまったマットを持ってきて、丸い穴から水に浸けてごしごし洗うというしくみ。もう少し暖かくなると、家からマットを持ってきて、自由に洗っていい場所なんですって。今ではかなり貴重な存在ですが、昔はどこにでもあり、近所の人たちのコミュニティの場にもなっていたそうです。

学校では、個人的な制作物として、ウールのカーペットのテスト織りを進めています。本番の大きなものを織る前に、糸の相性を考えたり、織りの組織が合っているかどうかを試すために、幅20cmくらいのものをつくります。織りの組織とは、タテ糸とヨコ糸の上下の交錯のことで、この交錯(組織)の形でいろいろな風合いの織物ができます。

ウールはやわらかいので、織るときにクシのような板で強くたたけばしっかりと丈夫に、やさしくたたけばふわりと仕上がりますが、その案配も厳密にチェックしているところです。

それから、ありがたいことに、近所の手紡ぎ作家の方からゴットランド島の羊の毛を学校に譲っていただきました。とても毛の長い上質なつやつやしたウールです。みんなで洗って、ドライルームに干しているところ。寒いお国柄のせいでしょう、ウールが一番親しみ深い素材なんですね。このあと紡いで、なにか織ろうと考えています。楽しみ!

 

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北極圏へ!

2010年3月27日 (土)

スウェーデンで最も北にある都市・キルナを5日間旅してきました。人生初の北極圏です。小さな花がちらほら咲きはじめたエーランド島とは、全然違う景色。飛行機の窓から見下ろすと一面の雪と低い木々ばかりで、今にもトナカイが走り出してきそうです。

はじめの2泊は、今回の旅を案内してくれた明知夫妻の知り合いのお宅に泊まらせてもらいました。明知夫妻はストックホルムで雑貨店KIKIを営んでいて、先日の展覧会の時にはティーパーティも主催してくれた仲良し夫妻です。

森に囲まれた小さくてかわいい木の小屋! サウナもあるし、目の前は川の入り江が広がっているし、これぞ正統なるスウェーデンの別荘、といった趣。この夜、なんとオーロラを見ました! うっすらと広がりながら動く緑がかった光のカーテンは、それはもう不思議で、幻想的で、言葉が出ませんでした。

1時間半ほどはじめての氷上スキーを体験しながら、ユッカスヤルヴィという場所にあるアイスホテルに到着。建物も、家具も、器も、全部氷でできているホテルです。実際泊まるのは寒そうだなぁ…… と思いますが、次から次にお客さんがチェックイン&チェックアウトしていました。この近くにある川の氷を使うからこそ、淡いブルーに透けるのだそうです。こんなふうに↓

前々から、スカンジナビア北部とロシア北部の原住民である、サーミの文化を学びたいと思っていたのですが、ヨックモックという街の博物館のサーミの歴史や民族衣装の展示は、ていねいな説明ですごくよかった。日本のアイヌの人たちと同じように、独自の豊かな文化や言語を持ちながら、複雑な民族問題を経てきたことも知りました。

キルナ在住のテキスタイル作家・ドリスさんのお宅へも行きました。80歳でもまだまだお元気な彼女の作品は、どれも色彩豊かでのびのびと美しいものばかり。スウェーデンの伝統的な織り物を後世に伝えるべく、本もたくさん出版していらっしゃいます。

私がバンドに興味があることが伝わっていたそうで、つくりためていたたくさんのバンドとスケッチファイルをたくさん披露していただきました。心から感動。また会いにきます!

 

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時間をかけてゆっくりとつくること

2010年3月16日 (火)

織りにもだいぶ慣れてきて、模様織りを追求している今日このごろ。今、個人的な作品として織っているのがこんなカーペットです。自分で組織図を書いて織り機のペダルなどをセットするのは、難しいけどとてもやりがいがあるのです。そして、ヨコ糸をめぐらせるたびに模様があらわれてくるのを見るのが、なんともいえずうれしい。

さて、今週から夏のスクールエキシビジョンで販売するための「トレイ」をつくるプロジェクトの一環で、プリントの授業がはじまりました。はじめに丸いトレイのかたちに合わせて、デザイン画を描きます。わたしたちの住むvickleby村の木々が図案のモチーフになっています。

今回は初めて「リノカットプリント」にトライしました。床材などに使われるリノリウムを彫刻刀で彫って、版をつくります。思ったより堅い素材で、最後は指にマメができるくらいでした。ちなみに、この材料は日本でも画材屋さんなどで手に入るので、興味のある方はぜひトライしてみてください。

インクをしみこませたスポンジを版にたたきつけて、スタンプと同じように押すだけ、というかなり原始的なプリント方法で、シルクスクリーンが開発される前のヨーロッパではかなり盛んに使われていたそうです。

かつて、ウィリアム・モリスのテキスタイルはこの手法でつくられていたそうですが、今ではほとんど廃れてしまっているとか。ちなみに、インドではこれとほぼ同じやり方で、今でもテキスタイルが生産されています。

リノカットプリントは、準備にもプリントにも時間はかかりますが、私にはすごくしっくりときました。木版画に似たようなハンドプリントの味わいが出るし、スクリーンプリントに比べたらインクも少量で済むし、版を洗うための水もほとんど使わないし。経済にも環境にもやさしいプリント方法なんじゃないかな。

 

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ウールのフェルトをつくる

2010年3月5日 (金)

セムラ!セムラ!セムラ! この時期に食べる特別な季節のお菓子です。イースター前の約40日間、断食をする習慣があった頃、その直前に栄養をとるために食べていたものだそう。今はみんなの楽しみのひとつです。ハンバーガーのバンズのようなパンに、たっぷりの生クリームとアーモンドクリームがはさんであります。パン屋さんやスーパーなど、どこでも売っていますが、学校で出たセムラは甘さ控えめでおいしかった。

この週はゲストティーチャーがスウェーデン産のウールを使ってフェルトづくりを教えてくれました。気だてがよくて賢くて美人のイヴォンヌ先生が、まずはデモンストレーション。スウェーデンのウールは質がよく、すぐに繊維がからまってフェルト化しやすいのだそうです。

つくりかたはすごく簡単。竹の簾の上に、ウールを2重に置いて(なにか動物がいるみたいだ)、

次にプラスチックシートをはさんでもう一度ウールを置き、石けん水とお湯をかけて、のり巻きをつくる要領でローリングすると、こんなにぺったんこに。繊維がからみ合って、1枚の布になります。そしてこの形が何になるかと言うと…… 私は今回、ミトンをつくることにしました。

右側のが、できあがったミトンです。北欧で古くから使われているかたちで、ぶ厚く、風や水をほとんど通さないので保温力抜群。汚れも少ないし、ウールの強さを実感できるアイテムですね。水玉のポットもつくってみました。手びねりで陶器をつくる感覚に近いです。

こちらは、クラスメイトのキャロリーナの作品です。きれいな色を使って次から次に大作をつくっていました。かわいい。

 

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番外編 ストックホルムファニチャーフェア

2010年2月19日 (金)

自分の展示の準備が一段落したので、北欧最大の国際家具見本市・ストックホルムファニチャーフェアをのぞいてきました。雪の降り積もる中、いろいろな国のバイヤーやジャーナリストが続々と門をくぐっていきます。

今回の目玉はポール・スミス。なぜストックホルムにポール・スミス?という気がしなくもなかったですが、ほうきやキッチンツールなど身近なものを軽やかにアレンジした遊び心満載のブースでした。

メーカーのブースでは、フィンランドのTAPIOVAARA( HYPERLINK “http://www.tapiovara.fi” http://www.tapiovara.fi)の家具がきれいでした。どれも50年代の椅子やテーブルを復刻していて、ちょっと丸みを帯びたフォルムに安心感を感じます。ブースのデザインもシンプルで素敵でした。

学生のブースは、大きなメーカーにはなかなかできない発想があって刺激的。特に、環境問題に対する提案をしているところがすごくいいと思いました。農家からスーパーマーケットまで野菜をデリバリーするためのカートのデザインや、コンポストの新しいかたちの提案など、ルンド工科大学のブースがきらりと光っていました。

ほかの学校でも、キッチンに野菜を吊るすためのツールや、ドライフードをつくるプロダクトのプロトタイプなどが目立っていました。凝ったデザインのものより、こんな「実用的なもの」のほうが時代を象徴しているように感じます。

こちら、我がカペラゴーデンのブースです。今年は外部のデザイナーがキュレーションをしていて、家具、陶芸、テキスタイルの作品をあえて混沌と、おもちゃ箱をひっくり返したように展示していたのでした。

インテリアテキスタイルのブースもたくさんあります。スティグ・リンドベリのプリントテキスタイルを手がけている方と直接ゆっくり話せたのがとてもよかった。版数が多くて難しいプリントを、ほぼ手作業に近い状態でていねいにつくっています。まだ日本では取り扱いが少ないのですが、日本のマーケットにはとても興味がある、とおっしゃっていました。

こちらは、手織りのカーペットを扱うメーカーのブース。こういった織り物のサンプルの山が、赤、グリーン、イエローと色別に分かれていてとてもきれい。思わずさわりたくなる展示でした。

半日ほどでたたたーと駆け回ったファニチャーフェア。気がつくと、大きなメーカーの「これでもか!」というお金をかけた展示よりは、個人のデザイナーや小さめのファクトリーのブースに足がのびていました。また、最近知り合ったプロダクトデザイナーもかわいいコンポストのプロトタイプをつくっていたりと、エコロジカルなものに今まで以上に真剣に取り組むデザイナーが増えているようです。次の時代のものづくりに必要なものは何か、真面目に考えないとな、と思いました。

 

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展覧会がはじまったよ

2010年2月12日 (金)

今朝のエーランドは、枝に樹氷がからみついて、まるでお花みたいです。展示の搬入をするため、ストックホルムに向かいます。バスで6時間かかるので、移動だけで1日つぶれてしまいますが、こんなときにひたすらオーディオブックを聴くのが、今のスウェーデンでは主流なんですって。

翌日の朝からセットアップ。エーランド島で拾ってきた枝を使って、テキスタイル折り鶴のモビールをつくっているところです。下げる場所や鶴の数のバランスをわざと崩して、危ういバランスでゆっくりと動くようになっています。

外から見るとこんな感じ(写真下)。秋の授業でつくった苔柄のシルクスクリーンで、透ける布にプリントをして、窓辺に布のカーテンを垂らしました。シャープな空間が、ずいぶんやわらかい印象になったように感じます。

横に長ーいマガジンラックに、季刊サルビア全巻を陳列するのが夢だったんですよね。壁紙みたいでしょ?初日には、学校の友達が遊びに来てくれました。

2日目の夜のグリーンティー・パーティーも予想以上の盛況ぶりでした。抹茶やあんこが苦手な人が多いと聞いていたのですが、和菓子を出してみたら大好評。ピンクのお花のかたちの練り切りが次々と消えていきました。「わたしあなたの本持ってるのよ」というデザイナーやイラストレーターの人が何人か来たのもうれしかった。

会場に来たほとんどの人が、この靴下をさわって「これはすごい、なんなの?」と言います。そういえば、こちらの国はウールやリネンは豊富ですが、こんなに細くてやわらかいコットン素材はなかなか見かけません。コットンは温暖な国で採れるもの、そういえば日本は綿の国だな、と気づかされました。

次回はストックホルムファニチャーフェアをレポート。近いうちにまた!

 

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展覧会がはじまるよ

2010年2月4日 (木)

なんと、ストックホルムのアートブックショップ「konst-ig(コンスティッグ)」で2月8日から21日まで展覧会をやることになりましたー(http://www.stockholmdesignweek.com/exhibitors/konst-ig-art-bookseller)。

「konstig」はデザインや写真、建築関係の本が多い、クールな本屋さんです。前に私の本を置いていたそうで(わりと売れたらしい!)オーナーのシャルロットは「おお、セキ!あなたの作品のことはよく知っているよ、展覧会をやってちょうだい」と、ここ数ヶ月、とんとん拍子に話が進んでいったのでした。ちなみにスウェーデン語で「konstig」は「strange」という意味。ふふふ。

展示の内容は、日本でつくっているサルビアの本や靴下、手ぬぐいなどに加え、去年からつくりためていたプリントテキスタイル、そしてスカートやショールなど。日本で培ってきた「古きよきをあたらしく」のサルビアの精神がスウェーデンにも届くといいなと思い、日本の職人さんやつくり手を紹介する英語のキャプションを充実させる予定です。

クリスマスのときにスウェーデンの人たちに好評だった「テキスタイル折り鶴」も大量につくりました。カペラのまわりにある木の枝にぶら下げて、モビールをつくりたいなと。

9日の夜には、友人のショップKIKI(http://www.ki-ki.se/)の緑茶で「グリーンティー・パーティー」をひらきます。ありがたいことに、オリジナルの和菓子も用意してくれることになり、プリントアウトした模様の紙でこんな菓子皿を準備することにしました。いよいよ盛り上がってきた……。

ちょうどストックホルムファニチャーフェアと期間が重なっていて、世界中からデザイン関係者が集まる一番いいタイミングなんですって。もし、まわりにファニチャーフェアに行く方がいたら、ぜひお誘いくださいね。次回は展示会場レポートにしますので、どうぞお楽しみに。

 

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ときには外の空気を吸って

2010年1月27日 (水)

テキスタイルクラスのデイトリップの日。学校のバスに乗って、近くの街の美術館に行きました。こちらは、古都・カルマルにある、モダンミュージアム。この壁、よく見ると板張りなんですね。全面黒のシャープなデザインの建築ですが、クールすぎない仕上げがスウェーデンらしいと思います。

私たちの住むスモーランド地方の作家たちによる企画展で、油彩、彫刻、テキスタイルなどいろんなジャンルの作品がありました。スモーランドは個人でものづくりをするアーティストが多い地域で、自然あふれる環境で小さな工房を開き、春夏の観光客の集まるシーズンには仕事場の一部をお店にする、というスタイルをとっている人が多いようです。

この作品は我がエーランド島在住のKickenさんによる、布のコラージュ作品。スウェーデンでも人気のあるテキスタイルアーティストです。布をはぎ合わせ、刺し子のようにちくちくと刺繍が施してあります。ちょっと写真がブレちゃってごめんなさい!

次は、ガラス細工で有名なニブロという街のギャラリーへ。もともとガラスづくりの工場だったれんがの建物が改装され、今はアートスクールとギャラリー、資料室などの複合施設になっています。ニブロにはこんな高い煙突つきの古い建物がいくつか残っていて、独特のクラシカルな雰囲気があります。

中に入ると……モダンな感じ。そのギャップが面白い。

全体的に「意外性を楽しむ」をテーマにした展示構成でした。たとえばこれ(下の写真の赤いクシャクシャした作品)、どこの家にもある「おばあちゃんのひざかけ」の編み地を使って、丸いかたちのオブジェにしたもの。素朴で野暮ったい感じの素材を、グロテスクに見せたいという趣旨なんですって。

透明なウロコを重ねたような作品は、どこにでもあるプラスチックのティースプーンを横糸として織り機で織ったものなんです。見慣れたものを、違うかたちで見せられると、また新鮮。うちのクラスのベーリット先生は、どうやらこの「意外な素材のテキスタイルづくり」というのを次の課題に考えているみたい。よーし、なんか探すぞ!

 

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繊細、難解、ボビンレース

2010年1月21日 (木)

1月はあっというまに日が過ぎて行きます!
そんななか、なんとクラスの友達が誕生日のお祝いをしてくれましたー。
誕生日が近いクラスメイトのエレンちゃんと一緒のお祝いです。うれしいな。

さて、今日はスウェーデン語で「Knippring」と呼ばれる、ボビンレースづくりの授業でした。フランドル地方(オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域)で16世紀に発展し、ヨーロッパ中に広まったもので、北欧では帽子やブラウスのふち飾りなどに使われていたそうです。

↑繊細なレースは見ているだけでうっとり。

手づくりのための道具は本当にどれもかわいい。そして道具が美しいとつくり手のやる気もぐっと高まります。クラスの女子たちもハイテンション。楕円型のクッションのような台に、ボビンと呼ばれる糸巻きをセットして、ピンで固定しながら糸を交差させていきます。

拡大すると下の写真のような感じ。ドラム状の芯台にピンを刺す位置を示したカードが巻いてあり、順番に編んでいきます。ドラムの向こう側にちょっとずつレースができるのですが…、うーん、文字で説明するのがかなり難しいな。だんだん、ボビンが「しめじ」に見えてきたぞ!

そして、この下の写真が、下絵のカードです。習ったばかりの私たちには「???」で、この模様を編むには相当な修行が必要ですが、パターンのタイトルや説明が手で描かれていたりするのも素敵なのです。

↑マッチや鉛筆、定規も道具として使います

構造はいたってシンプルで、ホワイトボードに書いてある「基本的な糸の交差」を覚えれば、この組み合わせでいろいろな模様が編めるそうです。
そうそう、表記をよく見るとわかると思いますが、私たちの学校は留学生が多いので、スウェーデン語と英語を交えて教えてくれるのがありがたいところ。日常会話もほぼ英語です。
スウェーデン人に「どうしてそんなに英語がしゃべれるの?」と聞くと、小さい頃から英語のテレビ番組をスウェーデン語訳で見ているうちに自然に覚えた、という人が多いですね。確かに、英語のドキュメンタリーや映画が毎日放送されています。日本のテレビでもぜひやってほしい!

 

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伝統的な織り紐「バンド」

2009年12月21日 (月)

昨日からずっと雪、雪、雪です!

授業のあと、しんしんと雪が降る中、夜の真っ暗な道をクラスのみんなと散歩に出かけました。途中、雪合戦をしたり、先頭の人がつけた足跡(わざと歩きにくくしてある)にそって歩くゲームをしたり、子どもに戻って大はしゃぎ。

クリスマス休みに入る前に、2年生の作品のプレゼンテーションがありました。自分で展示したい場所を決め、ほかのクラスの生徒を招待して発表する、というスタイルです。アトリエ、家のリビングルーム、食堂など、ひとりずつ展示スペースが違うので、その人の個性が際立ちます。小さなエキシビジョンのようです。

↑窓からの光が差し込んできれいな刺繍の作品

1年生は、北欧の伝統的な民族衣装に使われてきた「バンド」の制作をしています。日本の和服に使われる「真田紐」や「組紐」に近いですね。今回は、教室の本棚にある古い本が教科書です。

バンドは原始的な織り物なので、木の道具(左)や、パンチ穴を開けた紙のカード(右3つ)だけでつくることができるのが面白いところ。織りはどうしても難しいと思ってしまいがちですが、ちょっとしたスペースがあれば、こんな手のひらに収まるかわいい道具を使ってできるんです。

ベーリット先生がお手本を見せてくれました。窓枠にくくりつけた縦糸に木の道具をはさみ、上下に動かしながら、隙間に横糸を入れて模様をつくっていきます。織りの基本を学ぶのにとてもいいと思いました。難しいものではありませんが、完全な手仕事なので、できあがるまではかなり時間がかかります。

↑マッチや鉛筆、定規も道具として使います

下の写真は、先生が今までつくりためてきたバンドコレクション。きゃしゃで繊細なのがリネン、ざっくりした風合いなのがコットンです。太いものから細いもの、デザインもさまざまで見ているだけで楽しい。ああ、私も早くマスターしたいな!

さてさて、いつも読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。年末年始は日本で過ごすため、しばしカペラゴーデンとはお別れです。
2010年にまたお会いしましょう!

 

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