Categories: CASA BRUTUS | セキユリヲの『北欧の「手仕事」を学ぶ』 - 2009.11.21
シルクスクリーンプリント
ずっと楽しみにしていたシルクスクリーンプリントの授業です。
7月の夏期講習でもお世話になったリサ先生が、ストックホルムから指導しにきてくれました。はじめの数日はイメージスケッチを描きます。今回は3色(3版)で構成する課題です。地面に這うようにのびる葉っぱや苔を、点と線の色の重なりだけで表現したいと考えました。
↑ 水彩絵の具を使って何度もスケッチをします
リピート(版を繰り返した時の絵柄の調整)を考え、デザインを決定したら、専用のインクでフィルムに絵を描きます。手描きの味わいを残したいため、わざと線を歪ませたり、こすったりしながら、慎重に下絵をトレースします。
↑ 1回描くと修正が難しいので、時間をかけてゆっくりと
これができあがった版。ピンクの感光材を塗ったスクリーンに、絵を感光して焼き付けます。同じようなものが、A色、B色、C色の3種類の版ができあがります。
布をテーブルにぴったりと貼り付け、インクを調色したらプリント開始。自分の描いたA3程度の絵が、大きなテーブルにどんどん広がっていく時間は、なんともいえない高揚感があります。色を重ねれば重ねるほど深みが増して行くし、違った色を使うとがらりと世界観が変わる。1週間ほぼ毎日プリントの作業をしていたのですが、プリント・ハイとでもいうのかな、体は疲れているんだけど精神はどんどん冴えてくるような、不思議な恍惚を感じました。
↑ プリントで悟りをひらく? 気分は修行僧
この日は8メートルの長さのテーブルに、3種類の生地と色を変えたプリントをしました。乾くのを待つのに時間もかかるし、これでほぼ1日を費やす感じです。ちなみに左が、私の尊敬するリサ先生。この学校ではプリントを専門に教えていますが、自分のスタジオではテキスタイル全般のディレクションをしています(http://www.hv-atelje.com/)。劇場や庁舎の巨大なタペストリーやカーテンなど公共的な仕事をたくさん手がけているそうです。
仕上がったテキスタイルを家に持って帰ってきて、今まで無地のリネンのカーテンだったところに吊るしてみたら……。おおー、部屋の印象ががらりと変わって、外はグレーの曇り空なのに、急にはなやかな気持ちになりました。
部屋の中で過ごす時間が長い北欧の冬、みんながインテリアファブリックにこだわる理由が、わかったような気がします。





