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Categories: CASA BRUTUS | セキユリヲの『北欧の「手仕事」を学ぶ』 - 2010.08.30

ありがとう スウェーデン

灼熱の日本に戻ってきました。ここはいつから熱帯になったの? すでにスウェーデンの夏が恋しい〜。

ちょっとひんやりするために、真冬の風景を振り返ってみましょう。これは、バルト海が凍ったときの写真。ある日、うっかりバスを乗り過ごし、なんにもない隣の街で時間をつぶさねばならず、海を見に行ってみたらこんなきれいな景色が広がっていました。夏は、この小さな木の橋から子どもたちがジャンプして飛び込むんです。

1年間のカペラゴーデンでの暮らしからもらったものはたくさんありすぎて、ひとことでは言い尽くせないけれど、中でも思い出深いのはこんなこと。自分たちでリネン(亜麻)の種を植え、収穫して乾燥し、茎の繊維を叩いてやわらかくし、糸紡ぎをしました。自分で育てた素材を使って、日々使うものをつくる---自然に囲まれているからこそできる「地産地消」です。

すぐそばに羊がいて、刈った毛を譲ってもらって編みものや織りものをする、というのも、今思えばなんと贅沢なこと。服やカーペットなど、暖をとるためにウールが欠かせない北の地では、羊の存在が、ごく身近なんですね。

おもしろいなーと思った風習は、お誕生日のパーティーを自分で主催すること。ケーキを焼いて、テーブルセッティングをして、友達を招きます。みんなこういった「ちょっとしたイベント」が大好き。ときどきやる仮装パーティーも盛り上がります。男の子も得意のお菓子を焼いてくるのは、驚きでした。

スウェーデンの景色は、どこを切り取っても絵になるくらいきれい。自然が美しいのはもちろん、そこに建つ家や教会、牧場、バス停、ポスト、ごみ箱などすべての人工物が景観を損なわないようにできているんです。首都のストックホルムでも、電車の吊り広告なんてほとんどない。そこが、混沌とした情報社会・東京との一番の違いですね。誰もが「景色は公共のもの。美しい景観を保存しよう」という意識が高いのだと思います。ここ、何より一番見習いたい!

この連載も今回で最後を迎えることになりました。今思い出すと、遠く何もない田舎で、このブログを書くたびに「日本とつながっている」と感じられたものです(特に冬、部屋にこもるしかない日々、ひとりパソコンとにらめっこでした!)。

つたない文章ではありましたが、1年間読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

この1年の財産を、ただの楽しかった思い出で終わらせないように。これからの暮らしに、仕事に、役立てられるように。環境は違うけれど、どこか精神的につながりのある「スウェーデン」と「東京」の橋渡しのような活動を、少しずつでいいからできたらいいと思っています。まずは「バンド織りのワークショップ」かな。

これからも、あたたかく見守ってくださいね。

セキユリヲ