Categories: CASA BRUTUS | 千 宗屋 茶味 in ニューヨーク。 Charming New York - 2009.03.31
ウォールストリートジャーナル・インタビューと利休忌
29日は、アメリカで最も権威ある経済新聞”ウォールストリートジャーナル”
のインタビューを受けた。在NY総領事館からのご紹介で、同紙論説副主幹、
メラニー・カークパトリックさんを、せっかくしつらえられた茶室があるからと、
Yanagi Galleryの茶席にお迎えし、実際に茶の湯を体験していただいたうえで
お話をすることで、適切な理解をしていただければと目論んだ。
利休忌に合わせた趣向で、すべての道具をしつらえたが、当日現れたのは
メラニーさんおひとり。聞けば、同紙は伝統的に写真をあまり使われない
媒体で、ここぞという記事にはイラストを用いるのが伝統とか。
果たして、5月6日付の同紙に私のイラスト入りで
”A Tea ceremony Today”と題した大きな記事を掲載していただいた。
参照→ http://online.wsj.com/article/SB124156010772588959.html
武者小路千家が”Mushakouji-tea school”とされ、”Senke”が抜けていたり、
"teaching art at Columbia University"となっていたり
(正しくは”Visiting scholar at Columbia University”とすべき、先生では
ないので)など細かい齟齬はあるものの、記事の内容は大変的確かつ、
こちらの意図をよく汲んでくださって、早速各所から反響も多く、
同紙の影響力の強さ、ひいてはアメリカにおけるメディアの重要性を
実感することが出来た。
数ある質問の中で特に印象的だったのは、茶の湯をビジネスとして
成立させている要因についてと、読者であるビジネスマンに向けて
茶の湯を行うことの意味というもの。出来上がった記事には、前者の
回答は載らなかったが、後者は大きく戦国時代の大名と現代のビジネスマン
の比較について説明したことが大きく取り上げられた。
↑31日、Ippo-doで行った稽古での
利休忌の床飾り。お茶湯、お菓子を
供える。
31日には、28日に遅れること3日の利休忌。
通常、京都家元では利休の祥月命日の2月28日(旧暦)に
ちなみ、3月28日に菩提寺である大徳寺聚光院で法要と
茶会を行う。もちろん今年はNYにいるため出席できない。
なので、3月3回目の稽古日であったこの日に、稽古場披き
以来の利休の画像を取り出し、稽古に先立ち供茶。その後
やはり稽古場披き以来の濃茶を一堂に振る舞って、居士を偲び、
残された半分の稽古への精進を誓いあった。
↑利休居士にお茶湯を供える。
聞けば、ここNYでも例年28日前後に、表千家、裏千家それぞれの
稽古場で利休忌が行われているという。遠く離れた異国の地で、
多くの人が自分の先祖を思い、お茶を供えてくださる。 なんと
ありがたいことだろうか。本人が知ったらさぞびっくりされるだろう。
いつかNYにある三千家が一堂に会して、ともに祖である利休居士を
偲べたらどんなに素晴らしいだろうか。
改めて利休さんという存在の偉大さを、日本にいる時とはまた違った
かたちで感じ、思いを新たにした今年の利休忌であった。