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【Vol.33】乾癬(かんせん)って皮膚の病気をご存知ですか?

白い角質がポロポロと落ちる皮膚の病気です

乾癬(かんせん)という皮膚の病気をご存知でしょうか。
これまで日本国内では約10~20万人と言われていましたが、最新の調査*1では約55万人と推計されました。

乾癬は、皮膚が赤く盛り上がり、表面に白い角質が厚く付着して、フケのようにポロポロとはがれ落ちます。その白い角質を無理にはがすと、出血することもあります。
強いかゆみが起こる人もいて、症状が進むとその皮膚症状が増え、広がります。また、爪が変形することもあります。
皮膚症状だけでなく、関節痛や変形、発熱や倦怠感などの全身症状が起こる病気でもあります。

乾癬は、症状によって5種類に分けられますが、そのうち9割を占めるのが、「尋常性乾癬」。
白いフケのような角質を伴う赤い皮膚の盛り上がりが特徴で、強いかゆみを伴うことも。長期に渡って、悪化と軽快をくり返します。

日本人では男性に多いとされてきましたが、最新調査では、海外と同様、男女比ほぼ1対1というデータもあります。発症年齢は20代と40~50代にピークがあります。
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正常な皮膚と乾癬の症状が出ている部位の皮膚との境界線がはっきりしています。できやすい部位は、頭部、髪の生え際、爪、肘、膝、腰周り、臀部、下肢などに多く見られます。
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患者数は世界に1億2千5百万人。うつると誤解され、偏見に苦しむ人も

乾癬はその外見的な症状と、日本語では“かんせん”と読むことから、人に感染すると誤解されやすい病気です。
世界的にも見た目の症状から、心理的苦痛を受けたり、偏見に苦しむ人がいることが、今、問題になっています。
日本人の患者さんによると、
「頭や顔からフケのように角質が落ちるので濃い色の服が着られない
「つり革につかまるときや名刺交換のときに手をジロジロと見られる
温泉やプールに行くのがためらわれる」
などはよくある話だと言います。

症状がつらいだけでなく、その外見的な症状のために行動が消極的になってしまったり、学校や職場での人間関係に悩まされたりなど、精神的な苦痛を感じている人も少なくありません。

 

絶対、人に感染する病気ではありません

乾癬の原因は、まだはっきりとわかっていないのですが、体質的な要素に加え、外的要因(ストレス、感染症、皮膚刺激、薬、アルコール、喫煙、冬の季節など)と内的要因(肥満、高脂血症、糖尿病など)が加わることで、発症するのではないかと言われています。
ということは、誰にも発症する可能性がある病気なのです。

はっきりとわかっていることは、細菌やウイルスによる病気ではないので、絶対に“人に感染する病気ではない”ということ。
ですから、温泉やプールなどに入っても、美容院で洗髪やカットをする場合も、周りの人にうつることはありません

乾癬は完治する病気ではなく、症状が治まっている時期と悪くなる時期をくり返します。治療で最も多くの患者さんに行われているのは外用剤による治療(外用療法)です。外用療法で効果が不十分な場合は、内服療法、光線療法、生物学的製剤に切り替えたり、組み合わせて治療します。

毎年10月29日は「世界乾癬デー」として、患者さんの家族や周りの人だけでなく、世界規模で社会としても、乾癬についての正しい知識を持ってもらう啓発活動が行われています。
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新しい乾癬治療薬ができました!

乾癬の薬剤治療で最も一般的なのは、ビタミンD3、ステロイドの外用剤です。
しかし、軟膏には1日2回塗る手間と時間の大変さや、混合調整した場合には安定性の懸念がありました。

そんな中、今年、2剤の配合剤が新しく発売となり、1日1回1剤の塗布で即効性、利便性、安定性の問題が解決されることが期待されています。
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配合外用剤「ドボベット®軟膏」医師処方による尋常性乾癬治療剤でビタミンD3外用剤とステロイド外用剤の配合外用剤。1日1回1剤の塗布で治療することが可能に。
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*1「健康保険組合レセプト情報を利用した乾癬の実態調査」照井正ほか『臨床医薬第30巻第3号別冊』平成26年3月