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第7回 BOOK TRUCK 三田 修平さん

profile:みた しゅうへい。大学卒業後、書店運営にたずさわる。今年の3月に移動式の本屋さん『BOOK TRUCK』をスタート。現在は、日本各地のイベントや店舗などで出店している。出店情報はツイッター、フェイスブックで発信。ツイッター:https://twitter.com/mybooktruck / フェイスブックhttp://www.facebook.com/Booktruck


近頃、東京では代官山の蔦屋書店のように、トークショーやカフェサービスなども楽しめる本屋さんや、ZINEだけを取り扱ってる本屋さんなど、それぞれテーマを持ち、新しい本の楽しみ方を提案する本屋さんができています。このブログでは、かけだしライターの私、宮本 賢がそんな本屋さん訪れて取材。本を読むこと、探すこと(=Diggin’ Books)のおもしろさを教えてもらおうという企画です。インディペンデントでかっこいい本屋さんにいる「本のスペシャリスト」に会いに行ってきます。「Diggin’ Books」毎月更新!

自由が丘の『TODAY’S SPECIAL』や山梨のキャンプ場など、神出鬼没に現れる移動本屋さんがある。80年代のシボレーのバンで移動販売を行う店主の三田さんにインタビューしてきました。

1番気になるところなんですが、なぜ移動販売というスタイルになったんでしょうか。
「普段本を読まない人が、本屋さんにある大量の本から自分に合った本を選ぶのってすごく大変だと思うんですよ。そういう人でも本を選びやすい場所を作りたかったんです。移動式だと、その場所とそこにいる人の雰囲気に合わせて選書ができるので“直感的”に本を選べると思うんです」

どれくらい出版されているんですか?
「日本では年間7~8万冊くらいで、1日だと250冊くらいの本が出版されているんです」

すごい数ですね。
「本を読まない人が本を選ぶときに、そこには大きな壁みたいなものがあると思うんですよ。でも、それで本を読まなくなるのはもったいないと思っていて」

本に対して拒否反応みたいなものありますよね。
「そうですね。でも本を読まなくても、だれでもなにかしら興味があるトピックありますからね。例えばキャンプ場には、本が嫌いでも自然が嫌いな人はいないから森とか海がテーマの本を持ってくと興味を持ってくれたりするとか。それが移動販売のおもしろいところです」


なるほど。具体的にはなにか工夫していることはありますか?

「今回のミッドタウンの芝生の広場での出店は子供が多いので絵本を手にとって読めるように置きました。自由が丘の『TODAY”S SPECIAL』では、『Books For You』というテーマで4~5冊くらい本をまとめて、『Books For Girls』とか『Books For Naturalist』とかそれぞれに名前をつけて売っていました。そうすれば、本に興味ない人でもそこに書いてある単語に反応してくれるかなと思ったんです。とにかく、その本をパッと見たときに内容がイメージできるようにしていますね」

本のラインナップは毎回変わるんですか?

「そうですね。置いてある本はイベントごとに変えています。雑誌とか小説とかいつでも置けるようなモノは保管しておきますけど、毎回イベントごとに1ヶ月くらいかけて本を集めるんです」

本の量とジャンルがしぼられているので、確かに自分の興味あるものを見つけやすいですよね。昔から本は好きだったんですか?

「もともと、本を読まなかったんです。大学生になってからやっと本を読むようになったので、本を読まない人の気持ちがすごいわかるんです。だから、そういう人たちにも良い映画を見たときと同じような感覚が、おもしろい本を読んだときにもあるっていうのを味わってほしいなと思っているんです」


あまり見かけない車ですよね。移動本屋をやるために見つけたんですか?

「いや、むしろこの車を見つけたから移動本屋をやろうと決めた感じですね(笑)。たまたま見つけたんですけど、ここを逃したら手に入らないなと思ってすぐ買ってしまいました。80年代の『シボレー』のCHVY VANという車種です」

ちゃんと動くんですか?(笑)
「動きますよー。いつかはこれで、公園の前とかで本を売りたいんです。昔の移動紙芝居みたいな感じで。」

今回は、ミッドタウンに来る子供やそのお父さん、お母さんのために三田さんが選書した中からDIGしていきます!


1st DIG Purple
「1990年代にフランス人のオリビエ・ザムとう男性とエレン・フライスとう女性が作っていたインディペンデントマガジンです。説明する必要ないくらい有名な雑誌ですけど、やはり今読んでも超イケてる雑誌ですね。載っている写真が全部かっこいいです」

2nd DIG かたかな絵本アイウエオ/五味太郎
「有名な絵本作家五味太郎さんの作品で、絵がかわいいです。あと、絵本はだれが読んでも直感的にわかるのが好きなんです」


3rd DIG PLANTED 
「いとうせいこうさんが編集長だった『植物と暮らすライフスタイルマガジン』です。毎回、アートディレクターが違っていて全部かっこいいんです。ベランダ園芸を広めた雑誌ですよね。読み終わると植物っていいなと思わせてくれるところが凄いです」

本にハマるタイミングを失って、いつのまにか大人になってしまったという人は意外と多いかもしれない。

そんな人は、まず移動する青いバンを見つけるのがおすすめ。もともと本を読んでいなかったその車の持ち主は、自分にも好きな本が必ず存在することを教えてくれる。

取材/文/写真/宮本 賢