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第23回 田川優太郎(26)フォトグラファー

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夢中なことがあったり、叶えたい目標があったり、誰にも真似できない自分だけの“何か”を持ってる人ってかっこいい。シティボーイってどんな人のことを言うの!? という問いの正解は決して一つではないけど、彼らが共通して持っているのは、そういう自分の興味に対する強いこだわりなのでは ないでしょうか。  
 
このブログでは、毎回1人のシティボーイに密着取材。彼らのホームタウンを巡りながら、シティボーイの実態を調査していきます。
 
 
今月のシティボーイはフォトグラファーの田川優太郎さん。今年1月に晴れて師匠のもとから独立を果たした彼。今回は彼が学生時代からよく遊んでいる自由が丘でお話を聞いてきました! 
 
『BARBER』 
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まずは多国籍料理『BARBER』で腹ごしらえ。ここは田川さんが友人と開いたお店で、料理が得意な彼が、写真の仕事をしながら厨房で働いている店。もちろん! 店の看板の写真は田川さんによるもの。
 
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店内にも田川さんの写真が飾られています。
 
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頼んだのはチリコンライス。お店を開く前に、何度も試食を重ねて出来たメニューなんだとか。実は、今月の『部屋と料理』の誌面でも手料理を披露してくれている田川さん。お味のほどは……よく混ぜていただきます。うん、程よくスパイシーで、パリパリとしたチップスの食感もいい感じで、上に乗ったサワークリームで飽きがこないから、どんどんいける! ボリュームもあって、嬉しい一皿ですね。
それにしても、レストランで『BARBER(理容室)』とは、不思議な名前ですね。

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「お店の名前を付けたのは僕なんです! もともとNYの理容室は近所の人々の交流の場で、あの赤青白のサインポールがくるくる回っているときは『誰でも入っていいよ』という合図だったそう。今日はどこに遊びに行くかを相談したり、まだ売れてないアーティストが店内で演奏したり、色んな情報が盛んに飛び交う場所で、この店もそうなったらいいな、と思ったんです。髪は切らないけどね。音楽のイベントもよく開催しているんですが、そのイベント名も『BARBER』です(笑)」  

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店内には、クールなジャケのレコードが飾られています。これらは田川さんの400枚以上からなるコレクションの一部だそう。音楽が大好きな彼は、DJとしても活動しているそうで、そもそも写真を撮るようになったのも、高校時代に、仲のいい友達と主催した音楽イベントの撮影を頼まれたのがきっかけ。  
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「飽き性な自分でも、写真なら撮った瞬間にある程度の完成品が見えるので、どんどんハマっていきました。幼い時から父に『お前は俺の息子だから勉強ができないのは明確。だから自分が好きなことをしろ。クリエイティブなことがしたいなら無理してでも遊べ』と言われていて、自分が楽しいと思える写真とDJはずっと真剣に続けて来ました。僕が師匠と出会ったのも音楽のイベント。彼も音楽が好きな人だったので、アシスタント時代もDJを続けさせてくれました。あまり寝られない生活で大変だったけど、DJをして色んな人と出会い、仕事につながったこともたくさんあります。父の言葉は間違っていませんでした」
まさに「好きこそ物の上手なれ」。忙しいときも、無理をしてまで好きなことをやり続けるのは、簡単に見えてすごく大変なことです。
 

『写真のこと』
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「僕は学校を出て、すぐに師匠と出会って直属のアシスタントになりました。普通は学校を出た後、フォトスタジオのスタッフになって、現場で機材の名前や使い方を覚え、その後に師匠につくというパターンがほとんど。大学で写真を専攻していたものの、スタジオでの実務経験がなかったので、実際の現場に出てみると、実用的な知識の少なさは歴然。スタジオのスタッフさんにも『このアシスタント大丈夫かな?』という顔をされてしまうこともありました……(笑)。よくお世話になるスタジオの方にこっそり頼んで、機材やライトの当て方について教えてもらっていましたね」  

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こちらは田川さんが、大学の卒業制作として撮影した作品。
「写真美術館に行ったり、写真集を見たりすることも、もちろんあるけど、僕は雑誌で写真を好きになりました。抽象的でアーティスティックなものよりも、意図がはっきりしているものが好きです。大学の卒業制作も、まわりはアート作品を作る中、僕は日本の職人を撮り集めたものを提出しました。手に職を持って働く人の姿をおさめることで、働くことの意義を考え直したい、という意図を込めたんです」
音楽のイベントも、雑誌も、色んな役割の人が集まって出来ているところが好きなんだとか。それに、おおらかな田川さんの周りには自然と人が集まって来る。
  

『祝独立!』 
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実は、取材前日にアシスタントの仕事を終えて、カメラマンとして独立した田川さん。出来立ての名刺をいただきました! この名刺はデザイナーをしているお父さんが作ってくれたもの。全力で応援してくれるお父さんは、やっぱり人生の先輩であり、とても大きな存在。そんな田川さんは、お父さんから色々なものを受け継いでいます。
 

『お父さんのお下がり』
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「今日持ってきているフィルムカメラは父から譲り受けたもの。僕がカメラを本格的に始めた19歳のときにくれました。父が初任給で購入した大切なもので、今でもしっかり動いてくれます。戦場で使うチタン仕様の貴重なものらしく、今、ネットで80万円くらいで売れるみたいです!」
田川さん、絶対に売らないでくださいね? 

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「今日履いている<エディー・バウアー>のブーツは父のものです。父とはサイズが全部一緒なんです(笑) ちなみに<POLO>の鞄は中学のときに買ってもらったもの。いつもはバックパックを使うことが多いんですが、今日は取材なので“きちんと感”を出してみました。自分でも高い服を買いたいんですが、仕事に勢いが出るまではまだまだ難しいですね……」
お父さんと趣味が合うなんて羨ましい。長く履かれたものだからブーツもいい味出てます! 
 
 
『行きつけの文房具屋』
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次に案内してくれたのは『six』。ここも、小学生のときにお父さんが連れて来てくれてから大好きな場所。ヨーロッパの文房具を中心に扱うこのお店は、カラフルで可愛いモノが揃っていて、見ているだけでワクワクしてきます。さすが、デザイナーのお父さんだね。今回は名刺がたくさん収納出来るフォルダを購入!  

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「少しずつ色んな方の名刺が増えているんですが、名刺の整理が苦手なんです。今日からはちゃんと管理したいと思います! 独立して、最近はじめてスケジュール帳を買いました(笑)」
独立するにあたり、いろいろ必要なモノが増えたという彼。お金を貯めていて、次は新しいカメラをはじめ、撮影機材を新調する予定なんだとか! 

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自身のことを『飽き性』という田川さん。でも、自分が本当に好きだと思えることに対しては、挫折しないで努力し続けた彼。『飽き性』が一つのことにどっぷりハマるとすごい集中力を発揮するのかも。いつか雑誌でいい写真だなあと思って見たら「Yutaro Tagawa」のクレジットが入っていることもあるかもしれないね! 
 
取材/写真/文/飯野僚子