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有酸素運動と無酸素運動〜その定義と境目〜

 一昔前、スポーツクラブでは、指導者が「息を止めてできる運動が無酸素運動で、呼吸をしていないとできない運動が有酸素運動です」なんていう説明がされることがありました。
 一般の方向けに、非常に簡略化した説明かと思いきや、本人がそう覚えている(教えられている)ことも少なくありませんでした。これが正しいなら、ジョギング中でも呼吸を止めている間は無酸素運動、ということになってしまいますね(笑)。

 TARZAN本誌でも度々説明しているように、有酸素運動と無酸素運動の境目は、息を止められるか否かではなく、運動実施中に必要なエネルギーの(大部分を)、どのように作り出しているか、にあります。酸素を使って作りだしたエネルギーを主にしている運動が有酸素運動、主として酸素を使わずに作りだしたエネルギーに依存するのが無酸素運動です。

 一般的にいう「呼吸」が有酸素的なエネルギー産生です。運動中のエネルギーがこれで賄うことができればいいのですが、運動の強度が強くなるにしたがって、需要に供給が追い付かなくなり、酸素を使わない、つまり無酸素的なエネルギー産生に頼る割合が増えていきます。
 ですから、自転車でもジョギングでも、縄跳びでも、どのような運動でも強度が高くなれば、無酸素運動になります。

 最後に、よく「筋力トレーニングは無酸素運動」と表現されることがありますが、私はこれには昔から違和感を覚えています。確かに筋力トレーニングはエネルギー供給を主に無酸素的なエネルギー産生に依存しています。しかし、だからと言って、無酸素運動と分類するのであれば、全くと言っていいほど無酸素性代謝に依存しないストレッチは、有酸素運動として分類されることになるはずです。

 レジスタンストレーニングでも、例えばレッグプレスのような下肢のエクササイズを軽い重量で数十秒から数分反復する場合などに限れば、固定式バイクと近い運動となり、無酸素運動と言っていいと思います。しかし基本的にレジスタンストレーニングは局所に強い負荷をかけて筋力、筋パワー、筋持久力という筋の能力を高めることに特化したもので、無酸素運動に分類する必要も、そう表記する必要はないでしょう。ストレッチを有酸素運動と敢えて分類する必要がないのと同様に。