マガジンワールド

第10回 齋藤 圭祐 (23) 学生、ミュージシャン

「Magazine for City boys」をスローガンとしてリニューアルをしたPOPEYE。このブログでは“どこかにいるはず”のシティボーイ“を捜索。彼らの地元「ホームタウン」を巡りながらそれぞれの“シティボーイらしさ”をリサーチしていきます。

例えば、スケーターの履くVANS、バスケットマンのジャージや動き方がかっこよく見えるのは、それぞれに真似のできないスタイルがあるからではないでしょうか?

何でも似合うことより、その人にしかないスタイルがあることこそ“シティボーイらしい”と思うのです。
このブログでは、そんな独自の持ち味を持ったシティボーイを探して行きます!
「シティボーイを探せ!」毎月更新!

ということで、今回は中学生のころ自分の身に起きた、ある大きな事件をきっかけにミュージシャンになることを決意し、ライブ、音楽制作、練習を繰り返す日々を送っている大学4年生の斎藤圭祐さん。

圭祐さんが育った街、緑が丘を巡りながら、彼が音楽を作り続ける背景や取材中、常に冗談を言いながら楽しそうに過ごしている理由を探っていきます!

今回は「ユーモアはシティボーイにとって大事」っていう話です。
  
  
   

 

「店が閉まっていても慌てない」
 
昼頃に集合したのでご飯を食べる事に。
「自由が丘から緑が丘に行く途中に、行きつけのケバブ屋さんがあるんですよ。トルコ人がやっていて昔から仲良くしているんです」

意気揚々と連れて来てくれた圭祐さん。しかし、今日は普段と様子が違う、、、と思ったらこんな張り紙が。

  
 
家庭の事!? 日本ではあまりないイレギュラーなシチュエーションですが、そんなことに動じません。ひとつだめでも、次のお店がすぐ思いつくのがシティボーイの必要条件。
「大丈夫、すぐ近くに美味しい中華がありますから!」

  
  
  
「大好物」
  
  
ということで、連れて来てくれたのは実家の裏にある子供のころから通っている中華料理屋さん。おすすめはタンメン。
「親父と子供のころから一緒に来ていたんですけど、最近は夜一人で飲みに来くるようになりましたね。そんなとき、大人になったなって思います(笑)」
いろんなお店に行くけど、食べ続けているものがあるのがシティボーイっぽいね。

  
  
  
  
 
「自慢のコレクション」
  
中学生のころから、スニーカーが好きでこつこつ集めているという圭祐さん。
「ビースティとかジャミロクアイのスタイルが好きなんで、アディダス中心で集めています。あとは、ジョーダンシリーズが好きですね」
好きなスタイルが昔から変わらないのも、好きなものを語っているときに満面の笑みになってしまうのもシティボーイの性。笑顔が素敵です。

  
  
  
 
  
  
「秘密基地へ移動」
  
秘密基地(!)があるというので、少し移動することに。
カバンはボストンバッグが好きで古いものを集めている圭祐さん。
「これは綺麗に見えるんですけど、80年代に作られたカバンなんです」

  
  
  
  
「師匠と猫」
  
連れて来てくれたのは、中高生の学習教室。と言っても怪しいおじさん(失礼)と猫と膨大な量の本、マンガ、CDがあるかなり変わった空間。本当に塾?
「僕が中学生のころから通っている学習塾なんですけど、先生の怪しい本の話とか音楽の話がおもしろすぎて勉強以外のことを学んでいた感じです。だから、先生は僕の師匠ですね。秘密基地はこの上にあるんですよ」
取材中、猫が圭祐さんから離れません。愛するより、愛されるのはシティボーイ?

  
  
  
「ビルの上のプレハブ」
 
ついに出ました! ビルの上のプレハブという究極のシティボーイ部屋。美味しんぼの山岡士郎しか実現していないと思われていたものがここに(ポパイ インテリア特集P63「シティボーイならこうするネ」参照)
「僕が音楽の部屋が欲しいと師匠に相談したら、ここを使っていいと言ってくれたんです。とりあえずなんでもやってみろという人なので」
秘密基地は男の永遠の憧れです。

  
   
  
 
  

  
「中はこんな感じ」
 
中は音楽に関するものだけで、壁一面にCD。ここにアルバイトで貯めた機材を持ち込んで音楽制作とレコーディングを行なっている圭祐さん。
「CDは先生が昔から集めている物がほとんどで、いつも借りて聞いています。NYのポスターは、窓の外の景色が悪いと言って友達が張ったんですよ。逆効果ですけどね(笑)」
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のポスターと加藤あいのポスターが並ぶという変わった組み合わせも秘密基地だから許される。
好きなものしか置きたくないからね。
  
  
  
「ミュージシャンになる理由」
 
 
ミュージシャンになりたいと思ったのには、圭祐さんの身に起きた、ある大きな事件がきっかけだという。
「中学3年生のときに、骨肉腫になって片方の足全部にボルトをいれることになって、それが治ったと思ったらすぐに急性骨髄性白血病という難病にかかってしまったんです。だから入院中の2年くらいは、自分が死ぬかもしれないということを考えていました。でも、なにかの言葉で“人は忘れられたときに死ぬ”っていうのを見て、自分が忘れられないように音楽を作ろうと思ったんです。だから今の曲の歌詞はそのときに作ったものが多いんですよ。治った今となっては、死ぬかもしれないという体験ができたのは音楽を作る上でいい経験だと思えるんですけどね。そのときは元気出すためにずーっとクレヨンしんちゃんを見てました(笑)」
 
 
  
「ライブ」
  
現在は毎月行なうバンドでのライブの他に、弾き語りも行なっている。
「バンドが一番楽しいんですけど、ソロだとお客さんの反応が全部自分の責任になるので勉強になるんです。今は武者修行みたいな感じでいろんなところでやっています」

この日は、友人の写真展でライブを行なった圭祐さん。持ち歌の他に、「即興で」とのリクエストが。

そこで“病気を告げられたときの歌”をフリースタイルで披露。
しんみりするかと思いきや、まわりは爆笑の渦。
医者の告知の仕方や病院での生活を滑稽に歌うので、暗い話のはずなのに笑わずにはいられない。

自分の辛かったことを、笑いに変えられるのはユーモアと音楽の力を持っている圭祐さんだからこそできること。

シティボーイならどんなピンチもウィットに富んだユーモアで切り抜けたいけど、それが意外と難しい。

まずは、クレヨンしんちゃんを観ることから始めてみよう。

圭祐さんのライブ映像はこちらでチェックできます!
http://eye-of-the-tigeruppercut.blogspot.jp/

取材/文/写真/宮本賢