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キッズの運動能力開発のウソ?ホント?④まとめ

 過去数回にわたり、キッズの運動能力開発のコラムを書いてきましたが、今回はまとめになります。

 将来あわよくばプロスポーツ選手に! と考えているお父さん、お母さんや指導者の方達は以下のことを頭に入れてお子さんを育てましょう。

1.親ができることは子どもの環境作りのみ!

 私は職業柄トレーニングに関する知識についてはそれなりに自信があったので、その知識をふんだんに使って我が子を育てたいと思っていましたが、この想いは子どもが3歳の時に見事に崩れました。

 我が子を入園させている幼稚園で初めてのスキー合宿があり、他の子よりも先に滑れるようにしてあげたいと思ってゲレンデに連れて行ったときのこと。我が子は親のアドバイスを全く聞かずに泣いてばかりいて滑ろうとしない。「スキーなんか大嫌い!やりたくない!」と言われたのですが、その2週間後の幼稚園のスキー合宿では、スイスイ滑れるようになって帰ってきました。

 結局この時期の子どもは親を甘えの対象としているので、本当の意味での運動指導は出来ないということを悟りました。幼稚園で同じ年のお友達(仲間)と一緒にスポーツをすることに意義があるのです。もうこの時期から、「○○ちゃんが滑れるのだから私にもできる!」といった自己効力感を持っているんですね~。それ以降、私は直接何かのスポーツの指導を自分の子どもにすることはなく、他の専門家(体操の先生等)にお願いをしています。

2.一つの動き・一つのスポーツの技術を完成させなくて良い!

 過去のコラムで何度も話してきましたが、子どもの頃はある一つのスポーツを限定してやらせたり、技術的に高いものを求めるのはNGです。スポーツでの技術的なものは中学校以降に開花するので、幼少の時期は様々な運動経験をさせて脳ー神経系に多種多様な刺激を与え、楽しませる程度でOK。

 巷では、「もっとボールの蹴り方を細かく教えてほしい!」「跳び箱の時の手の付き方を細かく教えてほしい!」などという声を聞きますが、それは子ども自身が目で見て、体で感じて、自分なりに軌道修正出来るようになるのを待った方が良い! これが体で覚えるということであり、この個人差が「その人のフォーム」になるのです。

 この能力こそが運動神経を高める上で大切なものであり、中学生以上になって一つのスポーツの技術を高めていく時に必要となってきます。この能力はあれこれ指導者がアドバイスしすぎる「過保護の指導」では絶対に身につかないということを肝に銘じておきましょう。

3.様々な動きの要素を含む運動を楽しませながらやらせる!

 幼少期の子ども達は親の好みでスポーツを行っていることが多いため、子どもの運動能力は親が半分以上は決めてしまっていると言っても過言ではありません。子ども達は無限の可能性を秘めていますが、親が野球をやらせたいなら野球だけ、サッカーだけ・・・といった具合に偏ったスポーツ体験をさせてしまうと、偏った運動能力の大人になってしまいます。好みが悪いというわけではありませんが、以下のことは知識として持っておきましょう。

●オープンスキル系のスポーツ⇒バスケ、サッカーなどのチームスポーツ、テニス、格闘技などの対人スポーツ。コート、ゴール、ボール、見方、相手など、刻々と変化する周囲の状況に合わせてプレーをするスタイル。

●クローズドスキル系のスポーツ⇒陸上、体操、水泳など個人競技系スポーツ。基本的には自分の体すべてと対話し、自分の身体パフォーマンスを上げていくスタイル。

●両者の中間(どちらの要素も持っている)スポーツ⇒スキー、サーフィンなど刻々と変化する自然環境の中でプレーするスタイル。
欧米などは、この3種類のスポーツを満遍なくこなせるような環境があるようなのですが、日本はそういった環境が少ないので、親や指導者の知識が大切になってくるのです。

・・・・いかがでしたか。

 我が家では、こういったことをふまえて子どもにスポーツをさせています。5歳の今は、某スポーツ幼稚園で行う体操やかけっこ、サッカー、水泳、スキー、スケートなどのスポーツを経験させながら、それ以外では、スクールでバレエ、バスケットボールなど。また将来スポーツの道以外を選択しても良いように、英会話やピアノなどのスクールにも楽しみながら通っています。

 運動能力はもちろんのこと、それ以外の能力も含めた「バランスの良い子ども」を作ることが大切ですね!