虚と実
先日、太極拳の有名な先生に直接指導を受ける機会がありました。
私の中で太極拳といえば、あの「空手バカ一代」で初めてその存在を知り、一方では中国のご老人の健康法というイメージだったりもしていました。
が、学べば学ぶほど奥が深く楽しい世界です。
「虚」と「実」
虚は力の抜けた状態。一方、実は力がしっかりと入った状態。
体重がしっかりと乗っている軸足は「実」。もう一方の足は「虚」。
相手の攻撃は「虚」で受けることですべて空まわりさせる。
そして、もう一つの特徴は「円」の動き。
直線的な動きはほとんどみられません。円は終わりがなく、また無駄がない。ある意味永遠に続ける事ができる動き。
これを日本流に解釈すると、メリハリ、高揚と沈静、ハレとケ、といった感じになるのかと思います。
確かにトップアスリートは、無意識のうちにこの使い分けが非常に上手です。
集中したければ、リラックスの時間を大切にする。
パワーを発揮したければ、力を抜くことを覚える。
思い返せば、子供の頃から運動神経のいい子や頭のいい子は、皆この使い分けが上手かった。
メンコもそう。草野球もそう。大人になって痛感するのは特にゴルフ。
サプリメントにも同様の事がいえるような気がしています。
なんでも闇雲に飲むのではなく、タイミング、量、できれば作用機序なるものを理解して、適切に使いこなす事が肝要です。
よくこのエッセイでも紹介させていただくBCAA。これはまさにトレーニングの最中にしっかりと飲むのが効果的。トレーニング中の血中BCAA濃度をあげておくのです。
そうすることで中枢性の疲労が感じにくくなり、かつ筋肉への材料もしっかりといきわたります。
血中のBCAA濃度を高めた分、トレーニング強度も高めて身体を追い込むようにします。これがハレ、実、高揚。
そしてトレーニング強度を高めた分だけ、栄養補給と睡眠を充実させてその後の身体へのケアを充実させます。これがケ、虚、沈静。
力を入れるべき所はしっかりと入れる。抜くべきところはきちんと抜く。どうやらこの二つの要素のバランスが身体作りにも大きく影響してくるようです。
さあ原稿を書き終えたから、今から「虚」に入ります(^^)